EGOISTE
「お前、こうなること分かっててついてきたんか?」
俺は鬼頭に聞いた。
「まぁね」
鬼頭はそっけなく答える。
「あの二人……どうなるんだろ」
「さぁな」
今度は俺が同じように答える。
「何か…………案外あっけないんだなぁって……」
鬼頭はぼそりと呟いた。
「あっけない?」
「だって、ずっと気持ちすら伝えられなかった二人がようやく結ばれたのに、明良兄のバカな行動のせいであっけなく、崩れちゃうなんて。
ホントあっけないよ……」
俺は前を向いて、ハンドルを操作しながらルームミラーを見た。
鬼頭は下を向いて、つまらさそうにしている。
「恋愛なんてそんなもんだ。本当に二人が運命の相手なら持ち直すだろ」
「ふーん、そんなもん?持ち直す持ち直さないってことじゃなくて、信用の問題だよ」
「まぁそうだな」
「先生。永遠って…………
どこにも存在しないんだね」