EGOISTE
あいつら(鬼頭と楠)って絶対俺より神経が図太い。
何であんな風に平然としていられるんだ?
俺はちょっとでも学校側に知られてないかとひやひやしてんのに。
なんて考えながら、すっかりご無沙汰の保健室の扉を開ける。
ベッドにはカーテンがかかっていて、中から
「もうっ。やだぁ」
「いいジャン、ちょっとだけ♪」
「んもう。先生来ちゃう」
「だぁいじょうぶだって」
なんて怪しい声が聞こえてくる。
「おい、お前ら。神聖(?)な保健室でナニやってる?」
俺は勢い良くカーテンを開けて、ベッドの上で絡まった二人の生徒を睨み見下ろした。
「キャ!」
「うわっ!」
制服を着た男女が慌てて体を起こす。
「保健室でイチャこいてんじゃねーよ!!」
私情の苛々とムカムカを交えて俺は怒鳴った。