EGOISTE
―――
俺は二人の学年と氏名を何とか聞きだすと、二人をさっさと追い出した。
「まったく」
ため息を吐きならが、奥に眠っている鬼頭の元にいった。
カーテンを無遠慮に開けると、布団をかぶった鬼頭が顔だけ出してこちらを見上げてる。
「公明正大なお説教で」
鬼頭は俺を見上げると、無表情に言った。
鬼頭を知らない人間ならこれが嫌味に捉えられるかもしれない。
でも俺はこの言葉がこいつなりの褒め言葉に受け取った。
「どーも」
無愛想に言うと鬼頭の顔を覗き込む。
いつになく鬼頭の顔が青白い。
ちょっと病的なものを感じた。
「お前……大丈夫か?」
「……うん。ちょっと気持ち悪い…。早く夏が終わらないかな?」
同感だ。
俺も夏は嫌いだ。
だけど……鬼頭は単なる夏バテだと思ってるみたいだけど―――
ちょっと異常だ。