EGOISTE
そんなこんなで、3時間もすると―――
いつもよりハイペースで飲んでいた水月や、味見程度でビールを口にしていた楠も(もちろん未成年だから止めたケド)それぞれ潰れて雑魚寝をしていた。
楠だけは何とか立たせると、俺のベッドへ寝かせる。
水月は男だし、その辺に転がしとけば大丈夫だろ。
俺は、というとベランダに出てタバコを吹かせていた。
たくさん飲んだにも関わらず一向に酔いが訪れる気配がない。
それにしても……
暑ちぃ。
今までエアコンの効いた部屋に居たから、尚更暑さを感じる。
何でベランダに居るかって?
水月が寝てンのに、その隣ですぱすぱタバコ吸えないだろう?
俺が水月の立場だったら間違いなく煙の臭いで起きちまう。
額に浮かんだ汗が、こめかみへと流れ落ちてくる。
我慢ならねぇ。
早く吸い終わって部屋に入るか。
そんなことを思っていると、カラっとベランダの引き戸が開いた。
部屋の中からひょっこり鬼頭が顔を出している。
手にはビールの缶。
「お前…飲むンかよ」
俺の言葉に鬼頭は表情を歪めた。
「まさか。先生のだよ。暑いだろうから持ってきてあげた」
そう言って鬼頭は履いてきたサンダルを置き、足を通した。