EGOISTE

は…………?


俺は目を見開いたまま。


鬼頭だって予期せぬ出来事にまばたきすらする間もない、と言った感じだ。






でも



唇にはしっかりと柔らかい感触。



バッと鬼頭が身を起こした。


どうやら鬼頭を支えたまま二人して地面に逆戻りしてしまったらしい。




「………ごめん」


何に対して謝ったのか、鬼頭が小さく呟くとくるりと背を向けた。


「あ、ああ……」


鬼頭の平然とした態度を見て、変に意識することはない、と思った。




これはトラブルだ。




カラっと戸を開けて中に入る鬼頭の横顔をちらりと見ると、




鬼頭の白い頬は真っ赤だった。




俺は慌てて口元を手で覆った。







これは―――!!




完全アウトだろっ!!!










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