EGOISTE
親友≒恋人?
結局俺はあまりにも酷い痛みに意識を失い、その10分後に救急車が到着。
近くの救急指定の国立病院に運ばれ、点滴を打たれた。
救急車に同乗した水月は、病室に運ばれた俺の容態が安定した深夜にタクシーで一旦帰っていったらしい。
意識が戻ったのは、それから半日後。
意識が戻るとすぐに、腹部のエコー検査があり、胃カメラを飲まされた。
「胃潰瘍!?」
検査が終わった頃を見計らって、水月が病室に尋ねてきてくれた。
不覚にも三度目だ。
恥ずかしくて顔向けできないぜ。
しかも!運が悪く運ばれたのが、千夏の働く病院だった!!
まぁあいつはレントゲン室に勤務だから近づかなきゃなんとかなりそうだけど…
「……五日ぐらい入院だって」
「そうなの、大変だね。着替えとか大丈夫?」
「それは大丈夫。さっき親父が来て、色々用意してってくれたから」
ついでにばあちゃんもくっついてきて、不摂生だの管理がなってないだの、挙句早くしっかりした嫁を見つけろと散々言われたけどな。
「それはそうと……何かごめんな、色々迷惑かけて」
「別に迷惑なんかじゃないよ」
ほんのちょっと笑う水月はいつもどおりだった。
俺のした暴挙のことは全然気にしてない様子だ。
改めて思う……
「ほんっとお前は器がでかい男だよ。体はちっちぇえてのに」
「小っちゃくないよ。これでも175cmはあるんだから。そりゃ180以上あるまこに比べたら小さいけど…」
水月がちょっとむくれたように口を尖らせる。
「ま、それもそうだ」
俺はちょっと笑った。
どうでもいいこと、気にしてるんだな。
「それと……ホントにごめん」
「何に対して?」
水月が探るように目だけを上に上げた。
以前千夏にも問われた言葉だ。
だが、今回俺は自分がいけなかったことを充分過ぎるほど痛感している。