EGOISTE
―――
カシャッ
大きなシャッター音で、俺は重いまぶたをこじあけた。
「……」
目の前に鬼頭がいて、俺を覗き込んでいる。
手にはケータイ。
「……何してんの?」
全く状況が掴めませんが。
「ん。先生の寝顔撮ってるの。校内ネットオークションでセリにかけると、高く売れるんだ」
おいおいおい…鬼頭、そんなことやってんのか?
水月は…当然知らないよなぁ。あの天然ぶりから察するに。
水月も食い物にされてんじゃねぇのか?
ったく、女子高生とは言え、あなどれねぇ女だぜ。
俺は鬼頭の腕を掴んだ。
「何?お説教なら聞かないよ」
鬼頭がちょっと表情を歪める。
「説教なんてするかバァカ。売り上げの2割。バックマージンとして寄越せ」
「1割5分。それ以上は無理」
鬼頭は真剣な目で俺を見て、腕を振り払った。
まったく…ちゃっかりしてるぜ。
こんな何考えてるか分からない腹黒女と、天然水月が恋人同士って設定、まじでよくわかんねぇ。