EGOISTE
鬼頭はミヤコ嬢をじっと見ると、ふーん…と口の中で呟いた。
おい!何が「ふーん」だ。
お前は何を納得したんだよ!!
「先生ってばヤるね。病院でナンパ?」
「違っ!!この人は隣のじいちゃんのお孫さん。んで、俺の病院の患者さんでもあるの!!」
「へぇ」
ミヤコ嬢がくすくす笑って、「先生って呼ばれてるってことは、あなたも患者さん?」と鬼頭を見た。
「違います。こいつはあたしの学校のエロ保健医」
おい!こいつって呼ぶな。そしてエロはいらん!!エロは!!!!
「保健医…」
「ええ、まぁ。本職は学校の保健医でして、林クリニックは夏休みの間手伝いに行っているだけなんです」
「あら、そうなんですか。生徒さんがわざわざお見舞いに来てくださるなんて、人気なんですねぇ」
「人気は、ありますよ。エロいのに……」
鬼頭がふぅとため息を吐くと、軽く肩を竦めた。
「だぁかぁら!俺を変態みたいに言うなっ!!」
「変態じゃん」
こいつ……
いつか息の根止めてやる!
ミヤコ嬢は俺たちの会話を聞いてくすくす笑い声を漏らすと、何を納得したのか、頭を下げ帰っていった。
とりあえず…気詰まりな沈黙だけは去っていったが……
「へぇ将棋?じじくさ」
変わりにとんでもないヤツが来た!!!