EGOISTE



ちょっと眉を寄せ、俺たちを睨んでいるように見えた目は―――どこか据わっていた。


「水月!いや!!これはっ」


前にもあった。


俺がソファに鬼頭を押し倒してるときにこいつが登場して、水月は誤解してたっけ?


あのときもだけど、何て間の悪い奴……


って、悪いのは俺か。


「言い訳は結構」


水月は俺のパジャマの襟首を掴むと、俺をベッドに戻した。


相変わらずすげぇ力。


「レポート。レポート見てもらってただけだよ」


鬼頭も宥めるように眉を寄せ、立ち上がろうとしたとき、その体がぐらついた。


「わ!」


「危なっ!」


「おわっ!こっち来るな!!」


それぞれの三人の声が重なり、俺らは固まるようにベッドに崩れ落ちた。


一番上に鬼頭が。それを支えるように水月。


当然、俺は一番下。


「おまぇらなぁ。俺を病人だってこと忘れてないか?」


額に青筋を浮かべて、俺は二人を睨んだ。


「…あ、あはは。ごめん、ごめん」


と苦笑いの水月。



「ごめんじゃねぇよ!どけ!!」


俺は怒鳴ったけど、顔には笑顔。


どうしてかな。


すっげー笑える。


すっげー楽しい。




今こうして三人居られることに幸せを感じるんだ。








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