EGOISTE



「先生、胃潰瘍だってぇ??大丈夫?」


全然心配してなさそうに、楠はあっけらかんとして笑った。


「大丈夫じゃねぇから、こうしてここに居るンだろ」


呆れかえって俺は楠を睨んだ。


「それもそっか~。はい。これ、お土産♪」


そう言って楠はビニール袋をごそごそ。


中から取り出したのは、四角いプラ容器に入った・・・・・・


カツ丼だった。


「勘弁してくれ・・・・・・」


忌まわしいものを見るような目つきで、目を細めると俺はぷいと顔を逸らした。


「俺おとついから何も食ってないの。ってか胃が痛くて食えないの」


コンビニで温めてきたんだろうな。


強烈な油や甘辛い匂いが鼻につく。胃の辺りがむかむかして胃液がせりあがってきそうだった。


「そーなの?残念。じゃ、あたしらだけで食べよっか。ね、雅♪」


そう言って楠は弁当の蓋をぱかっと開けた。


ここで食うんかい!!




勘弁してよ~~~!





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