EGOISTE
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……
俺は買ったばかりのロードマップをその場で広げた。
「どうしたの?」
タバコを吸い終えてた水月が何事か、こっちに走ってくる。
俺は現在地を指差して、南に下ったところを指でなぞった。
「この先に海岸がある。それほど大きな海岸じゃないけど、一度歌南と行ったことがあるんだ」
「ホント!?」水月が勢い込む。
「ああ、間違いない」
千夏と鬼頭がコンビニから出てきた。手にビニール袋を提げている。
「歌南の行きそうな海、分かったぞ」
俺が二人に言うと、二人とも驚いたように目を開けた。さっきと同じように地図を指し示すと、
「でもホントにここに歌南さんが居るの?居たとしても今はホテルかどこかじゃない?」と鬼頭。
それは分かってる…
たぶんこの場に居る誰もが。
でも行くしかないんだ!
「行きましょう。誠人を信じるのよ」
一番最初に動き出したのは、千夏だった。