EGOISTE
と言うことは……
俺と千夏がうまく行ったことも見透かしてるんじゃないか。
そんな気がして、俺は慌てて顔を逸らした。
心の内を読まれないように。
だけど鬼頭はそんな俺を見て、にやりと笑みを浮かべた。
「その顔は千夏さんと仲直りしたんだね♪」
ガクリ
俺は肩をうな垂れた。
もうこれは勘が良いっていうレベルじゃないな。
俺は観念して降参のポーズを作った。
それを見て鬼頭は満足げな笑顔を浮かべた。
「ずっと……
ずっと一緒に居られたらいいのに」
日傘を傾けながら遠い目をして鬼頭が呟いた。
それはいつかこいつから聞いた台詞だった。