EGOISTE


「「「千夏さんが妊娠ーーー!!!」」」


三人の声が揃った。


そう、実は一週間前の千夏の誕生日、彼女が俺に伝えたかったことは子供ができたということだった。


別れを覚悟していた俺はまさに寝耳に水状態。


「そゆうこと♪」


「で、どうするの?」と鬼頭。


「どうするって、結婚するに決まってンだろ?ちょっと順番は狂ったけど、問題なし!」


俺の言葉に三人は顔を合わせ、そしてひそひそと喋りだす。


「先生が仕組んだんじゃないの?千夏さんと別れたくなくて」


「あり得る」


「先生、不真面目だしねぇ」


……………


「ちょっとそこ!噂話は本人の居ないところでしろ!!」


俺の怒鳴り声にもビビッた様子を見せず、鬼頭と楠は声を揃えて、


「「やらし~」」とにんまり笑った。


まぁ不真面目ってことは否定できんが、俺は仕組んだわけじゃないぞ!


「あの夜か…」


「あの夜だね」


「あの夜…って何?」


俺の話を無視して、三人はまた話し出す。


もう、勝手にしてくれよ。






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