EGOISTE
「Good morning♪」
歌南が俺の上に乗っかって、俺を覗き込みながら手を振っている。
ぼやけた視界に歌南の笑顔が映った。
「ちょぉ……」
俺は思わず顔を覆った。
何で……
「何でお前がいるんだよ!」
しかもなに上に乗ってるんだよ!!
「ナニやってんだよ」
ふいに声がして俺は寝室の出入り口に目を向けた。
エプロンをした鬼頭が目を細めて、こちらを睨んでいる。
「鬼頭…いや、違うんだ!これは…」
「言い訳はいいよ。千夏さんに言いつけてやる」
「鬼頭~」
俺は鬼頭の背中に向かって泣き出しそうな情けない声で、必死に彼女を呼んだ。