EGOISTE

「Good morning♪」


歌南が俺の上に乗っかって、俺を覗き込みながら手を振っている。


ぼやけた視界に歌南の笑顔が映った。


「ちょぉ……」


俺は思わず顔を覆った。


何で……


「何でお前がいるんだよ!」


しかもなに上に乗ってるんだよ!!



「ナニやってんだよ」


ふいに声がして俺は寝室の出入り口に目を向けた。


エプロンをした鬼頭が目を細めて、こちらを睨んでいる。


「鬼頭…いや、違うんだ!これは…」


「言い訳はいいよ。千夏さんに言いつけてやる」


「鬼頭~」


俺は鬼頭の背中に向かって泣き出しそうな情けない声で、必死に彼女を呼んだ。









< 45 / 355 >

この作品をシェア

pagetop