EGOISTE

「行ってらっしゃ~い♪」


歌南はひらひらと手を振っている。


って、


「お前、いつまでここにいんの?」


「何よ。あからさまに迷惑そうな顔しないでよ」


「悪いけど俺も仕事なんだワ。お前の相手してる暇ねーの」


「仕事?今日学校は休みでしょう?」


何で俺が学校の保健医をやってるって知ってるんだ?って思ったけど、水月にでも聞いたんだろうな。


「今日は実家のクリニックの診療なの」


「実家?クリニック?何それ」


歌南は何がおもしろいのか、キャハハと笑い声をあげた。


「あ~、じゃぁ白衣とか着てるんだ。なんかエロいわね」


何がエロいんだ。


ったく、わけわかんね~。


「あんたって昔から無駄に色気がある男だったものねぇ。年下のくせに」


頬杖をついて、遠い目で俺を見る。


無駄に色気があるのはそっちだろ!


その色気にひっかかった俺も俺だが。




あ~もう!!!消したい!俺の黒い過去!!!




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