EGOISTE
カランカラン
喫茶店のドアに取り付けたドアチャイムが心地よくなった。
客が来たようだ。
「いらっしゃいませ~」
ウェイトレスの女の子がにこやかに出迎えてる。
「暑~い。ここにしよっ」
「そうだね」
ん!んん!!?
この声は―――
俺は振り返った。
「あ」
最初に声を出したのは―――鬼頭だった。
隣に鬼頭の姉貴分の楠 乃亜もいる。
ぎぃやぁああああ!!!
大変な奴らに会ってしまった!!
グリンと顔を戻したが、時すでに遅し。
「せ~んせ♪ナニしてるんですか?」
鬼頭の悪魔の囁きが俺の耳元でそっと聞こえた。