EGOISTE
怖っ!!
俺はまだ「次」を与えたが、あいつは問答無用かよ。
改めて思った。
あいつが俺の女じゃなくて良かったぁ。
ってか俺とあいつの思考は一緒かよ。
楠は隣でクスクス笑ってる。どこか他人事のようだ。
俺はその笑顔を見てほっとした。
いくらか持ち直したようだ。
「雅はね、許すことも強さだって言ったの。あの子ホント強いよね。
あたしがどんなに酷い仕打ちをあの子にしても、あの子は許してくれた」
雅みたいになりたいな
楠は口の中でぼそりと呟いた。
俺はその言葉を聞かなかったふりをした。
俺は強くないから。
だからきっとずっと歌南を許せないだろう。