EGOISTE
「あ、何か仲良くなってる」
ふいに鬼頭の声が聞こえて俺は顔をあげた。
水月と鬼頭が並んで現れた。
「おせーよ」
「ごめん、ごめん。待たせちゃって」
と素直な水月が謝る。
ひきかえ鬼頭は…
「てかはぐれたのそっちじゃん。どこ行ってたの?もしかして先生、乃亜に手出したんじゃないでしょうね」
「んなわけあるかぁ。気利かせてやったんだ!ちっとぁ感謝しろっ」
「頼んでないよ」
この……くそあまぁ
まじで殴りたくなってきた。
「まぁまぁ、もう時間だしそろそろ帰ろか」
水月が仲裁に入る。
俺と鬼頭はガキみたいに「ふんっ」とそれぞれ顔を逸らした。