Love Song~to The SKY~



「あ、和泉さん〜」


 バイトが終わってそろそろ帰ろうかと思っていたあたしに声をかけてきたのは村井さんだ。

 安らかにも少し物悲しそうにも見えるその顔を見て、あたしは彼女さんと喧嘩でもしたのだろうかと勝手に思い、「どうかしましたか」と親身に聞き返した。


「あのさあ・・・別れた」

「あん?!」


 あたしは耳を疑う。
 変な返答をしてしまった。


「和泉さん、あん!?って・・・」

 あたしの真似をし、くっくっくと笑いをこらえている村井さん。



 でもあたしには、必死に辛さを乗り越えようとする村井さんの姿に見えた・・・。






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