Love Song~to The SKY~
「あの、村井さん」
「ん?」
あたしの少し前を手をつないだまま歩く村井さんは、返事をするとき、振り向く形であたしの方をみて、すぐに前を向く仕草をした。
たった一言の返事でも、ちゃんとあたしを一度みてくれる。
そんな村井さんの優しい性格をまた実感しながらあたしはまた言葉を続けた。
「どうして・・・どうして、別れちゃったんですか・・・?」
村井さんは歩く速度を遅くして、少しうつむいて、立ち止まったと思ったら、ゆっくり振り向いた。
その顔は、力なくて、寂しげで、切なくて・・・またその瞳は、悲しくて、悲しくて・・・
そして村井さんはゆっくり口を開いた。