Love Song~to The SKY~
家から少し行ったところの交差点に村井さんの姿を見つける。
「村井さん!」
あたしは小走りで駆け寄り手を小さく振りながら名前を呼んだ。
「ごめんなさい、待たせましたか?」
あたしは風で乱れた髪の毛をてぐしで整えながら問い掛ける。
「そんな待ってないよ、大丈夫」
と、村井さんは、笑いながら言った。
「よかった!」
安心しあたしが視線を村井さんから足元にうつすと、村井さんの大きな手のひらがあたしの髪に触れる。
あたしはびっくりして顔をあげると、村井さんが優しく微笑んだ。
「髪、乱れてるよ」
くすっと笑いながらあたしの髪を整えてくれる。
その優しい笑顔を見て溢れる想いに泣き出しそうになっているのに気付き、あたしはあわててまた視線を足元にうつした。
「す、すいません!」
「いいよ〜じゃ、行こ」
村井さんは、あたしの少し前を歩きだす。
あんなささいなことでも爆発的に脈打っているこの心臓に戸惑いながら、あたしは村井さんの隣を歩きたい気持ちを押さえた。