Love Song~to The SKY~
すごく、すごく楽しかった・・・。
けれど・・・。
人通りの少ない路地裏に入り、あたしは歩む足をとめた。
「・・・村井さん」
あたしは、涙が出そうで震える声で村井さんの名を呼んだ。
両手でワンピースをつかみ、うつむいたあたしを見て、普通じゃないことを感じ取ったのか、村井さんは、少しひざを曲げてかがんで、「どうした?」と聞いてきた。
その声が、優しくて、優しすぎて・・・。
あふれだす想いを・・・涙を止められない。
「和泉さん・・・?」
困らせると・・・わかっていても。
あたしは村井さんの胸に恐る恐る抱きついた。
村井さんは拒みも、抱き返しもしない。
あたしは、絞り出すような声で、言った。