Love Song~to The SKY~





 なんといっていいかわからなくなって、あたしは、村井さんの胸でずっと泣き続けていた。



 少し落ち着いてきたころ、村井さんが口を開く。


「和泉さん・・・ありがとう。・・・ありがとう」



「ぐす・・・いえ・・・ごめんなさい、しつこくて」


「うれしいよ。すごく」

「ありがとうございます」




 そのあとはとりあえず、いつもの通りに戻り、二人で家に帰った。


「送ってくれてありがとうございます」

「いいえ~!じゃあね!和泉さん!」
「はい、おやすみなさい」



 あたしが家の中に入るまで、ずっと見ててくれた村井さん。


 あたしが泣きやむまで、ずっと頭をなでていてくれた村井さん。

 
 「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」と言ってくれた村井さん。



 どうか・・・どうかこの想いが消えるまでは、その笑顔を誰も奪わないでいて・・・
神様。





 
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