Love Song~to The SKY~

　あたし、電話出てないのに、ひとつだけ、出たことになってる。


「和泉さんのケータイスライドでしょ？多分あいつら携帯の存在に気づかなくて、ボタン押しちゃったんじゃない。ちょうど近くだったみたいで、携帯から聞こえる和泉さんの叫び声と、実際の声とがダブって聞こえた。でもちょっと見つけるのに時間かかって・・・ごめんね？」


　村井さんが・・・あたしの頬に手を当てた。


　・・・温かい。


　あたしの目から涙があふれ、あたしは、恐怖と、安心と・・・いろんな気持ちが入り混じって、静かに泣いた。


「怖かったよね・・・すぐ助けられなくてごめん」


　あたしは首をぶんぶんと振った。