Love Song~to The SKY~


「なんで?いつかほしいねって話してただけじゃん!」

 うれしさと驚きとで、あたしは声が大きくなってしまう。
 でも、笑みが止まらないあたしを、純もうれしそうに見ていた。

「いや、確かに付き合い始めてまだ1カ月だし、迷ったんだけど、でも俺が、ずいぶん長い間待たせちゃったから。それに、今思っても、おれ、やっぱりだいぶ前から鈴が好きだったんだと思う。だから、そんなおれらに指輪は、ちょうどいいと思って。もう離れないっていう、約束」

 そうしてすっと、純は自分の左手の薬指を見せてきた。
 いつの間につけたのか、そこには同じ指輪が光っていた。


 あたしの瞳からは、涙が出てきてしまった。

「鈴・・・」

 困ってるけど、笑ってる、優しい顔で、純は箱からリングを取り出し、あたしの薬指にはめてくれた。


「ありがと・・・・純、ありがと」

 涙こぼしながらも、笑顔を作って純をみた。


 純と目があったかと思ったら、純の顔が近づいてきた。

 優しく…そっと…二人の唇がかさなった。

 少しかさかさしている、真冬のキス。

 あたしと純の…ファーストキス。




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