ありがとう…
仲間の大切さ
あれから、村野たちは学校に来なくなった
クラスの男子の話によると、
村野は、新宿で派手な服を着て、男性と歩いてたらしい
新橋は髪を染めて、夜遅くまでフラフラしてるらしい
きっと、二人とも、友達がほしいのかもしれない
でも、素直になれないだけなんだ
自分たちがどれだけの人を傷つけてきたのかを分かってくれたらいいけど…
「だるいー」
武道場に続く廊下をみんなで歩いているとき、佳燐ちゃんが下を向きながらそう呟いた
これから、緊急の学年集会なんだ
緊急ってことはまた問題でもおきたのかな
「転校生だったりして!」
「ないない」
佳燐ちゃんの愉快な想像に京ちゃんは冷たくそう言った
「ちぇっ」
「ちぇじゃない」
「いいじゃん」
二人のやりとりを見ながら、私は遠く前にいる要に視線を戻した
要は、クラスの男子と楽しそうにしゃべってる
その隣には、米川由美がいた
隣を見ると、蒔絵が嫌そうな顔で、米川由美を見てた
蒔絵は知らないんだ
要と米川由美の関係を。
最近、要を見ない
たぶん、米川由美と一緒にいるんだろう
要はここ最近で変わった
黒かった髪は、赤っぽい茶色の色に、制服は乱れて、ピアスを開けた
私も変わったんだ
髪は赤、ピアスも左耳に4個開けた
制服も、スカートは短く、Yシャツのボタンは第三まで開けて、ブレザーのボタンは開けっ放し
最初はみんなも何かあったのかと心配してたけど、他に何も変わってない私に安心してた
本当に心配してくれてるんだ
他は、何も変わってない
要の明るい笑顔、私たちの関係
何も変わってないんだ