ありがとう…
カトカンが職員室に戻ってだいぶ経つのに、まだ佳燐ちゃんは文句を言ってる
そんな佳燐ちゃんを黙らせたのはいつの間にか起きていた冠司くんだった
「あ、それより佳燐さ、彼氏とどうなったの?」
冠司くんがそう聞くと佳燐ちゃんは少し困った顔になった
「ああ、彼氏ね、なんかさー別れそう」
冠司くんはその言葉を聞くと少し肩をすくめた
「ごめん」
「いや、実はさ、彼氏が好きな人できたらしいよ」
「マジ?」
それまで隣の机でつっぷしてた蒔絵が急に起き上がって聞いた
「うん、ってか、元カノを見つけたらしいよ」
「何それ?」
蒔絵が聞くと、佳燐ちゃんは私の前の席に座って話し始めた
「なんか、彼氏さ、元カノのことまだ好きみたいで、最近どこにいるか分かったらしい」
「もっと詳しく!」
珍しく蒔絵が佳燐ちゃんの話しに興味津々の姿を見て、私も少し身を乗り出した
そうすると佳燐ちゃんは私の顔を見て少し笑った
「あのね、