先生が教えてくれた事



「先生!見なかった事にして!いこ、美月」


そう言って健司は、私の手を取った。


振りほどくと怪しまれるし、なされるがまま、私は健司に引っ張られる。

一瞬だけ先生が見えたけど、私の方をまるで見ていなかった。


どうしよう…。


先生、変に思ったよね。

健司には申し訳ないと思いながら、心は先生の事でいっぱいだった。




< 104 / 151 >

この作品をシェア

pagetop