先生が教えてくれた事



「お母さん…」


相変わらずの無愛想な顔で、私を見ている。


「忘れ物をしたの。この家は、あなたにあげたんだから、鍵は変えておきなさい」


「分かった」


何だ。そんな事ね。


帰って来るわけないか。

「それより、お父さんとは離婚したの?」


「したわよ。こっちの仕事に支障が出るから」


また、“仕事“か。


結局、自分が一番大事なのよね。この人。




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