先生が教えてくれた事
すると、先生が私の半歩前に出た。
「高田さん。僕は、教師を辞めてでも、美月とお腹の子供を守ります」
「先生…」
嬉しい…。嬉しいけど、本当に、そんな事出来るのかな…。
「ちょっと、いい加減にしてください!とにかく帰るわよ。美月」
無理矢理私の手を引っ張ろうとした母を、思い切り振りほどく。
と同時に、私はほとんど無意識に、教室を走り去っていた。
「美月!」
「美月!待ちなさい!」
先生と母親の声がするけれど、振り向かずに走る。
逃げなきゃ。
とにかく逃げなきゃ…。
この子を守る為に…。