先生が教えてくれた事



「先生、私帰りたくない」


「え?何言ってんだよ。ダメだろ」


「でも・・・」


だって、せっかく楽しかったのに、またあの一人寂しい家に帰るなんて嫌だ。


「何で、帰りたくないんだ?」


しばらく俯いて黙っていると、先生が優しく頭を撫でてくれた。


「あのな、美月。お前は未成年で、オレの教え子なんだ。理由も無しに泊めるわけにはいかないだろ?」


「うん・・・」


それは当たり前よね。


先生なら、私が帰りたくない理由を言っても、受け止めてくれるかな?


「先生、実はね。私の両親って、お互いに不倫してるの」



< 52 / 151 >

この作品をシェア

pagetop