先生が教えてくれた事
気が付くと、そこは降りる駅だった。
「いっけない。急がなきゃ」
慌てて、電車を飛び降りた。
あれ?
何か足りない?
持ってるはずの物が、手にない気がする。
「そうだ!携帯!」
さっき、アキくんのアドレスを消した時に、隣の座席に置いてしまっていたのだ。
「どうしよう~。忘れちゃった…」
電車はとっくに出発し、もう見えない。
今日は、ホント踏んだり蹴ったりだわ。
深いため息をついた時、
「これ、きみの携帯だよね?」
誰かが、後ろから声をかけてきた。