先生が教えてくれた事



手には、私の携帯を持っている。


「そうです!私のです。ありがとうございました」


良かった~。


正直、これがないと生きていけないくらい、大事な物なんだよね。


でも、よく私のだと分かったな。


「慌てて、降りて行くのが見えたから」


苦笑いをして、その人は私に携帯を手渡した。


「本当に、ありがとうございます」


もう一度お礼を言い、改札を出ようとした時、その人が、まだプラットフォームに立っているのが見えた。




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