先生が教えてくれた事



しばらく、私はずっと先生に抱きしめられていた。


どのくらいの時間が経ったのか、まるで分からない。


でも、ゆっくりと先生が体を離した時は、もうちょっとこのまま…って、思っちゃった。


「美月がさ、オレを優しいって、言った事あっただろ?」


「うん、言った」


あの屋上へ続く、階段の踊り場でね。


「あの時、オレは優しくないって言ったの覚えてるか?」


「覚えてる、覚えてる!」


でも、やっぱり先生は優しいじゃん。


今も、こうやって私を受け止めてくれたのに…。



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