恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜
『もしもし?』
『あっ、ミチ?ゴメンね、電話遅くなっちゃって。ところでどしたの?何かあった?』
『あぁ…うん、ちょっとね』
『ん?どしたの?翔とケンカでもした?』
マナは心配そうにそう言って。
翔と何かあったのかとすぐに悟っていた。
でも…今のこの状況で。
なっちゃんや純さん、寛太さんに聞こえてしまうようなこの状況で。
あたしはマナに、今日あった話をすることはできなくて。
『うん……そうなんだけどね。それは改めて話すよ、あたしからまた連絡する』
『えっ?ってゆーか今、翔と一緒じゃないの?』
『えっ?一緒じゃないよ、どうして?』
『だって男の声しない?』
『あぁ……うん。今ちょっと、友達の彼氏さんとその友達と一緒にいるんだ』
『そうなんだ…分かった。じゃあまた連絡して。じゃね』
『うん、バイバイ』
そしてあたしは…
ずっと待っていたはずのマナとの電話を切ってしまっていた。