恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜
『もっとさぁ、みんなで会う時間増えないかなぁ?』
『うーん……無理だろ、今は』
『何で?』
『そりゃみんなそれぞれ忙しいしさ。今日だってナオにも無理言って来てもらったじゃん?』
『うん……』
翔のそんな言葉に、あたしは何も言えなくなって。
そして翔はそんなあたしに、珍しく真面目な顔で言ったんだ。
『高校ん時はさ、時間なんてくさる程あったけど。今はそうじゃないじゃん?みんな夢叶えるためとか自分自身のために頑張ってる時なんだよ』
自分自身のために。
夢を叶えるために。
『そうだよね…ごめん、なんか時間が全然足りなくってさ。寂しいなぁとか思っちゃって…』
『みんな寂しいって。俺だって寂しいもん』
『翔も?』
『うん。だからみんな同じだよ。つーかミチ、俺がいるんだから寂しいとか言うなよなー』
翔はそう言うと、並んで歩いていたあたしの肩をそっと抱き寄せて。
『なっ?俺がいるじゃん』
と、優しい声でそう言って笑った。