恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜
そして……うつむいたまま、しばらく座り込んでいると、車が走り出していったような音が聞こえて。
俺は、スッと立ち上がると、ミチの住むマンションの前へゆっくりと視線を向けた。
だけどそこにはもう、二人の姿も車もなくて。
ミチがちゃんと家に帰ったのか、また男の車に乗っていったのかも…俺には何も分からなかった。
っつーか俺……
今日、ここで何をしていたんだろう。
ちゃんとミチと話をしたくて…
ずっと帰りを待ち続けて…
だけど…見たくもなかった、あんな光景を見せられて…
マジでバカみてーじゃん。
待ってる意味なんかなかった。
こんなとこ、来るんじゃなかった。
トボトボと向かいのマンションから出た俺は、昼間っからずっと降り続く雨の中、無気力で歩きだして。
冷たい雨に打たれながら…
はぁっと大きなため息をついた。