恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜



高校を卒業してからは、立ち止まる余裕なんてなかったのかもしれない。


ただがむしゃらに、走り続けていた。


振り返る時間もなくて。
思い出す余裕もなかった。



だけど…


ここでこうして空を見上げてると…やっと止まれたような気がした。



急いでいた日々から、抜け出せたような気持ちになった。




「なんか気持ちいいね」


「うん…」


「暑いけどね」


「ふふっ、そうだね」



二人で寝転びながら、

ただジッと…空を見上げた。



シーンとなっても、ただ空を眺め続けた。



言葉なんて、いらなかった。


ただミチと…

あの頃みたいに同じ空を見ていたかった。





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