恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜
「タク…なんで…」
隣にいるミチは小さな声でそう言うと、すぐに立ち上がって。
私もまた、同じように立ち上がった。
「つーか重いんですけどー!」
そう言って、歩きながら近付いてくるタク。
その両手には、パンパンになった白い袋が掴まれていた。
「あっちー」
そして、目の前まで歩いてきたタクは袋をその場にドサッと置くと、首に下げていたタオルで額の汗を拭って。
ふぅーっと呼吸を整えるように息を吐いた。
「うーわ、ぶっさいくな顔してるなミチ」
「えっ」
そして、来て早々にミチを見てそう言うと。
俯いてしまったミチに、遠慮の“え”の字もなく言葉を続けた。
「女子力ゼロ、いや、マイナスぐらいだな」
だけど……
「たっ…タクだけには言われたくないんですけど!」
すぐにミチは顔を上げて。
「ねー、マナ!タクにだけはそんなこと言われたくないよねー?」
クスッと笑いながら、私を見ていた。
「おい!何で俺だけにはなんだよ」
「えっ、だってタクだもん」
「はぁー!?」
「アハハッ」
やっぱりタクだ。
こういう時、タクのおちゃらけた感じとか、気を使わないこのテンションとか。
ミチをこんなにも笑わせることができるのは、タクじゃなきゃ…できなかったと思う。