恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜
「手、つないでもいい?」
そろそろ戻ろうかと言いながら翔が立ち上がった時。
あたしが翔にそう言うと、ニッと笑った翔は何も言わずにそっと手をつないでくれた。
大きな翔の手が、優しく手に絡む。
「行こっか」
「うん」
そしてゆっくり、同じ歩幅で歩いてくれた。
ずっと当たり前だった翔の存在。
だけど、離れていっぱい分かったよ。
そばにいられることも。
手と手が繋がることも。
こんなにも幸せだって感じることも。
離れたからこそ、大切なことにたくさん気付けた。