恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜
「あはははっ」
夕暮れの河川敷に響く笑い声。
あたし達は空を見上げながら、ずっと話をしていた。
三年の時の担任の先生、婚約中だったけど結婚できたのかな?とか。
あのアイドルのダンスは簡単だとか。
本当、くだらない話。
だけど話は全然尽きない。
むしろ、俺は私はって話の取り合い。
あの頃と変わったのは、制服を着てないってことぐらいだね。
呆れたようにふっと笑った時、隣に寝転がる翔がそっとあたしの手を取って空に向けた。
「良かった、サイズぴったりで」
あたしの手にキラキラ光る指輪。
ついさっき、翔がみんなの前で結婚式の練習とか言いながらはめてくれた誕生日プレゼント。
いつかのデートであたしが可愛いと言ったこの指輪。
翔はそれを覚えていてくれて、バイトを掛け持ちしてプレゼントしてくれた。
ねぇ翔?
指輪も嬉しいけど…あたし、翔の隣にいられるだけで幸せだよ。
こうしてるだけでね、本当に本当に幸せなんだ。