【SPECIALLY-特別な存在-】

03*二人のために*


*二人のために*



家に帰ると



お母さんがおっきなかばんに荷物をたくさん詰めていた





彩矢『...おかあさん?』



ママ『...彩矢...ちょっと母さん、おばあちゃん家に行ってくるね。』



彩矢『え...』



ママ『すぐ帰るから、それまで待っててね』



彩矢『いやだっあたしもつれt









お母さんが、



あたしの言葉を遮って言った




ママ『今は1人にさせてっっ...お願いだから』。






そう言って



お母さんは出て行った...




その目に、大粒の涙をためて-------









でもこれも、よくあること。



お母さんは、毎回ちゃんと帰ってくるけど






あたしは、お母さんが出てくたびに




帰ってこなかったらどうしようと不安になる...。









ケンカしてる2人は大っきらいだけど、




でも離婚とかはしてほしくない...







ヤッパリ二人とも




あたしの...家族だからっ









あたしは、リビングに入った





考えていた通り



そこには






頭を抱えて悩んでいるお父さんがいた...




彩矢『...お父さん』



パパ『...彩矢。ごめんな、朝っぱらから...』



彩矢『ううん、大丈夫^^』







あたしは、お父さんを安心させるために



精一杯の笑顔を見せる。






これがあたしの出来る、唯一のこと---------






あたしは、2人を安心させなくてはならない







だからそうやって、本当の自分を抑えて



親の喜ぶ自分を作ってきた...。
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