クロス・マインド
それから、木の所までは
怖いくらい簡単にたどり着けた。

ある場所から罠もなく
監視も手薄だった。

まぁ、入り口であれだけ
警備していれば
ほぼ捕まるだろうけど…
ちょっと以外だった。

木に登って、枝を渡り…

「ちょっと…遠いかな?」

近くまで来て見ると
枝から城の窓まで
少し距離があった。
枝の先まで行けば簡単に渡れるが
人が乗れる太さではない。

「ジャンプするしかないか。」

跳べば渡れそうだ。
窓も一人乗れるくらいの
縁がある。
上手く跳ばないと
落ちるか、音を出してしまうが…



「よい……しょっと………
こんな感じ?」

オレは難なく飛び越える。
反動で木が揺れたが
直ぐに風が吹いたので
気付かれてないだろう。

「さてと…一仕事しますか。」

先ずは窓に術がかかってないか
確める。
開けた瞬間、警報なんかが
鳴ったら終わりだ。

「術はかかってないか。
じゃ、これで…」

髪に付けていたピンを外して
一本に伸ばしてやる。





―――ガシャ、ガシャ―――





小さな音が鳴る。
辺りも人気は無いし
中も暗くて見えないが
誰も居なさそうだ。
見つかる心配はないだろう。

「………こんな感じで…」




―――ガチャ―――





「開いた、開いた…
これでよしっと。」





窓を開いて中に侵入する。
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