クロス・マインド
あれから、廃墟の方へ
足を運ばせた。

案の定、
荒れ果てた家が並んでいるだけで
人、一人居なかった。

ちょっと焦ったけど
更に奥に行くと…
人が暮らしている街があった。
目にした時はホッとして
その場に座り込んでしまった。










それから…
少し情報収集をして
仮の拠点に宿を借りた。

ボロボロの格好だったから
店主に疑いの視線を向けられたけど
大量の金貨を積んでやると
目の色変えて
三階の一番良い部屋に
案内してくれた。

「どうぞ、ごゆっくり
お過ごし下さいませ。」

「……あ、ありがと。」

営業スマイル全開の店主。
語尾にハートマークが
見えた気がするのは
疲れていたせいにしておく。


念の為に、お金は充分に
準備しておいた。
昔…
盗賊みたいな事をしていたのが
役立ってくれた。
情報収集も資金集めも
そんなに苦労しなかった。

まぁ……その頃の事は
良い記憶が無いんだけどね。





部屋に入ると広々とした空間で。
普通に独り暮らしできそうだ。
部屋にお風呂も付いていて
「やったぁ…流石に今は
独りで入りたいよね。」

湯の準備をしたら下へ降りて、
店主に食事の準備を頼んだ。










ゆっくりお風呂に入り

いっぱいご飯を食べて

久しぶりに深い眠りについた。
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