クロス・マインド
「あは…あはは…」

笑いを必死に堪えるも無理な話。

「腹……いてっ……ふふっ。」

「ちょっ…ちょっとぉ〜…
失礼じゃない?」

物凄く控えめに言う。
流石に男も解ったようで。
「私の…勘違いだったかしら?」

苦笑いして聞いてくるので
しゃがんだまま
上を向いて頷いた。
男は額に手を当て上を向き。

「あら〜……やっちゃったのね。」

さっきまで恐い顔してたのに…

可愛いし。

「あぁぁぁぁ…私ったら…
ごめんなさいね?」

自分がやった行動を
思い出したのか
男の顔が青ざめていく。

手を差し伸べてくれたので
それを受け、立ち上がった。

「……また、砂まみれ。」
「本当にごめんなさい。
……ん?また?」

砂を払いながら、思わず呟く。

「あはは…何でもない。」
苦笑いしながら適当に流す。

「それより…怪我はないかしら?
私ったら、てっきり
自殺しちゃうぅぅって、思って。
反射的にやっちゃったから
手加減もしないで…」

「大丈夫、大丈夫…
ちょっと痛いけどね。」

腰を打ったようで痛みがあったが
押さえながらVサインしてみせる。
まぁ、大したことないだろう。
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