クロス・マインド
露店まで行く途中も
話は絶えなかった。

人とまともに話すのは…

久しぶりだった気がする…




「…って言うかぁ。
ペリドットちゃんは
何でそんなに薄着なの?」
「ちゃんって…
動きやすいから。」

一応、18歳なんだけど…
『ちゃん』なんて歳か!?ガクッと肩が下がる。

「だって、可愛らしいんだもの。
ちゃん付けは嫌かしら?
ってか、いくつ?」

「いえ…お好きなように。
18歳ですけど。」

「えっ!?あらやだ…
てっきり15歳位かと…」

ライは口に手を当て
マズイと言う表情。



やっぱり…
オレは童顔らしい…
よくある展開だ。

「ほら…可愛いのには
変わりないわけだしぃ。
その格好も若さが成せる技よね!
羨ましいわ〜。」

ショックを受けてるオレを
慰めてくれるのか
誉め言葉を連発する。

「いや…可愛くないし…
ライの方が、ちょー綺麗だし…」

「あらやだ、解ってくれるの!?
そうでしょ?
私は歳だからぁ…
お手入れが大変なのよ〜」
オレの言葉に気を良くしたのか
ライは手入れの自慢話を始めた。
美容に気を使っているのがよく解った。
それと同時に女である自分が
どれだけサボっているか
思い知らされ、更にへこむ。





ライがそれに気付いたのは
露店の広場に到着してからだった。
< 40 / 105 >

この作品をシェア

pagetop