クロス・マインド
「ほらぁ…
そんなに落ち込まないのぉ!
ペリドットちゃんも
磨けば何倍にも光るわよ!!」

と、言い残し
一人喋るのに暴走したお詫びと
まだ開いてる露店で
ココアを買ってきてくれた。
ベンチに座って、飲むことにした。
辺りはすっかり人気が無かった。

「はふぅぅぅ〜。暖かい。」

落ち込んでいたのも
すっかり忘れ
ココアで和んでしまった。ライが微笑ましく
見ていたのも気づかず。

「そう言えば…
ペリドットちゃんの
お家は?近く?」

「えっ…あぁ…
すぐそこに宿借りてる。」
「他の街の子?」

「いや…まぁぁ、そんなとこ…」

和みすぎて、ボロが出た。

「そう…まぁ、今のご時世
色んな事情があるでしょうから…」

深くつっこまれずホッとする。

「でも、宿暮らしも
お金かかるでしょ?
大丈夫なの?」

「うん…当分はもつし
これから仕事探して
住むとこも探すつもり。」
心配そうにするライをよそに
相変わらず、ココアで和む。
楽天的に見えただろうか。
ため息が聞こえた。
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