クロス・マインド
ゆっくり、忍び足で
廊下を歩くライ。
それは王に似つかわしい姿。



そこはカーネリアの王が住む城。



辺りを見渡し
誰も居ないのを確認するすると
大きな扉を開く。

「ふぅ〜…
誰も気づいていない様ね。」

肩の力を抜き、奥の机へと向かう。
椅子に座ると更に力を抜き
ダランとする。

「休憩完了…。」

うふっと、笑みをこぼす。









「……随分、長い休憩でしたね?」










ビクッ!?



後ろから聞きなれた声がし、
恐る恐る振り返ると人影が…

「あ、あらぁ…ジェフじやない。
こんな夜遅くまで起きてるなんて…
お肌に悪いわよ?」

「誰かさんがサボらなければ…
とっくの昔に寝ているのですが?」

落ち着いてるが
冷めた声が返ってくる。
ジェフと呼ばれた男は
ローブで身を隠し、
口元まで布で覆い隠していた。
唯一見えるは
くっきりとした黒い瞳…

その視線は冷たく……





ヤバイ…完全に怒ってるわ。





とりあえず笑ってみたけど
思いっきり引き吊ってるわね。

「あれほど一人で街を
出歩くなと言ったのに…
貴方、仮にも王ですよね?」

「ひっ、酷いわ!…
主に向かって仮だなんて。」

「仮じゃないですか。
まだカーネリアとしてしか
成り立ってないし…」





ヒドイ!?





「そ、そんな…
人が気にしてる事…
ズバッと言っちゃうの?」

「言います。」

即答だし…
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