クロス・マインド
――― カーン カーン ――――



街中に広がる鐘の音。
一際大きくそびえ立つ時計台。
ここ、『アンバー』の
シンボルにもなっている。
その時計台のてっぺん…
つまり、屋根の上に居るオレ。





何でそんな所にいるかって?





それは………高い所が好きだから。

テへ♪

何て冗談はさておき
望遠レンズで街を観察。
カーネリアを一通り見た後、
予定通りアンバーへ。
ゆったりとした街並みの
カーネリアとは全然違い
家や店が密集し、道も狭く複雑だ。
一種の迷路である。

全体を把握するのに
時計台は打ってつけだった。
まして、こんな高い所に
人が居るなど誰も思わないだろう…
安心してゆっくり見れる。
今使ってる望遠レンズも
アンバーで見つけたもの。
流石、技術が高い。
軽いし、遠くまでハッキリ見える。

「あっち、こっち煙が出てる…
工場かな?」

耳をすますとカンコンと
鉄を打つ音や
機械音が行き交っている。
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