クロス・マインド
「三人の王って仲が良いの?」

「さぁね…まぁ、少なくても
この国を分裂させてるわけだし…
どうだろう?」

面白そうに笑う。
公にされてない話しも
嘘じゃなさそうだし。
この人…関係者かな?

「マラカイトの王って…
やっぱり誰も見たことないの?」

「そうだね…
逃げてきた人達にも聞いたけど…
今のところ見たって人は
いないんじゃないかな?」
今はマラカイトは
死者の街と言われている。
やっぱり一度見ておくべきか…

どちらかと言うと好奇心が高いけど。

「もしかして…行こうとしてる?」

気が付くとキールの顔が
目の前にあった。

「まっ…まさかぁ…ね?」
愛想笑いしかでない。
キールは疑いの目で見てるが

「まっ、どちみち入れないけどね。」

「えっ!?……あっ。」

キールの言葉に
反応してしまったが、もう遅い。
更に睨まれる。

「やっぱり行こうとしてたな…
駄目だよ危険だから。
ってか、物好きだね?」

「あは…あはは。
でも、入れないんでしょ?」

「マラカイトの王が
結界を張ってるみたいで…
視察団も送れないからね。」

キールはため息をついて
窓から見える
マラカイトの森を眺めた。
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